帯状疱疹について
帯状疱疹の原因は水ぼうそう(水痘)と同じウイルスです。
体内の水痘・帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで発症します。
水痘・帯状疱疹ウイルスにはじめて感染すると、水ぼうそうを発症します。そして、水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内に潜伏します。
普段は体の免疫力によってウイルスの活動が抑えられていますが、加齢・疲労・ストレスなどによって免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖しはじめます。
そして、帯状に痛みや水ぶくれ(水疱:すいほう)、赤い発疹(ほっしん)が出る帯状疱疹を発症します。
皮膚の発疹や痛みの他にも、眼や中枢神経系などの合併症がある場合は、その症状に応じて他の診療科と連携した治療を行うこともあります。
帯状疱疹の治療が遅れた場合には、発熱や頭痛のような全身的な症状が現れることがあります。
帯状疱疹の治療では、早めにウイルスの増殖を抑えることが重要です。
帯状疱疹になるしくみ
- 1水ぼうそう(水痘)
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はじめて感染した時は水ぼうそうとして発症します
- 2潜伏感染
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治った後もウイルスは長い間体内に潜んでおり、普段は免疫力によって活動が抑えられています
- 3免疫力低下
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加齢やストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが暴れだします
- 4帯状疱疹
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ウイルスは、神経に沿って移動、皮膚に到達し、帯状疱疹を発症します
帯状疱疹の発症には加齢が関係していると言われています
帯状疱疹の発症には加齢が関係しており、日本人では50代から帯状疱疹の発症率が高くなります。
80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています。
帯状疱疹になった患者さん全体のうち、約7割が50歳以上です。
しかし残りの3割には若年者も含まれており、若い人でも発症する可能性があります。
帯状疱疹後神経痛について
帯状疱疹の痛みは水疱や発疹が治るとともに軽くなりますが、皮膚の症状が治まった後も長期間にわたって続く痛みを「帯状疱疹後神経痛」といいます。
帯状疱疹後神経痛はウイルスが神経を傷つけることで起こるため、帯状疱疹になったらできるだけ早く治療をはじめてウイルスを抑えることが重要です。
加齢とともに帯状疱疹後神経痛への移行リスクは高くなり、50歳以上の患者さんの約2割が帯状疱疹後神経痛に移行すると報告されています。
帯状疱疹の治療について
原因である水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、痛みを抑える鎮痛薬で治療します。皮膚の症状によっては、ぬり薬を使うこともあります。
痛みが治まらないときは我慢せず、早めに病院を受診し、鎮痛薬の量や種類について相談しましょう。
また、痛みが3ヵ月以上にわたって続く場合は、その他の治療法が必要になることがあります。
帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹の発生や重症化、帯状疱疹後神経痛の発症を抑える為のワクチンです。
対象年齢は50歳以上、および帯状疱疹の発症リスクの高い18歳以上を対象としています。