「夏になると体の片側がピリピリ・チクチク痛む」「赤い発疹が帯状に広がってきた」
その症状、帯状疱疹(たいじょうほうしん)かもしれません。
実は帯状疱疹は一年のなかでも夏場に発症が増える傾向があり、猛暑による疲労や睡眠不足が引き金になります。帯状疱疹は放置すると「帯状疱疹後神経痛」という長引く痛みを残すことがあり、発症から72時間以内の早期治療がとても重要です。
西宮市のあさくら皮フ科クリニックでは帯状疱疹の診断・治療から、帯状疱疹ワクチンによる予防まで一貫してサポートしています。
帯状疱疹は夏に増える?
夏は体調を崩しにくい季節に思えますが、実は帯状疱疹にとってはリスクの高いシーズンです。
国内の大規模疫学調査の結果によると、帯状疱疹の発症は8月をピークに夏場に増加し、冬に減少する季節性がはっきりと確認されています。
8月の帯状疱疹患者数は年間平均と比べて約14%多く、発症が最も少ない2月と比較すると約31%も多いと報告されています。
なぜ夏に帯状疱疹が増えるのか?
帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が神経に潜み続け、免疫力が低下したときに再活性化して起こる病気です。
夏に帯状疱疹が増える背景には、主に次の要因が考えられています。
一つは免疫効果の低下です。
夏は気温が高く紫外線が強いため、水痘ウイルスの感染力が下がり、周囲で水ぼうそうが流行しにくくなります。
すると大人がウイルスに触れて自然に免疫を再強化する機会が減り、帯状疱疹ウイルスが再活性化しやすくなると考えられています。
もう一つは体力・免疫力の低下です。猛暑による夏バテ、熱帯夜の睡眠不足、冷房による寒暖差、強い紫外線などが重なり、免疫の働きが一時的に落ちることで帯状疱疹の発症リスクが高まります。
- 帯状疱疹になりやすい人とは
- 帯状疱疹は50歳代から急増し、80歳までに約3人に1人が経験するとされる、決して珍しくない病気です。
加齢による免疫低下が最大の要因ですが、近年は過労やストレスを背景に20〜40代の若い世代でも帯状疱疹が目立っています。「まだ若いから」と油断せず、夏の疲れを感じたら帯状疱疹のサインに注意しましょう。
帯状疱疹の症状
「虫刺されかと思っていたら、片側だけ痛みと発疹が広がってきた」
帯状疱疹はこうした違和感から始まることが少なくありません。帯状疱疹の症状の特徴と経過を正しく知っておくことが、早期受診につながります。
帯状疱疹の初期症状と進行(原因・症状)
帯状疱疹の症状は、多くの場合体の左右どちらか一方にあらわれるのが大きな特徴です。
まず皮膚のピリピリ・チクチクとした痛みやかゆみ、違和感が数日先行し、その後に赤い斑点、続いて小さな水ぶくれ(水疱)が神経の走行に沿って帯状に出現します。
顔(特に目のまわり)、胸、背中、腹部などに多くみられます。痛みは軽いものから夜も眠れないほど強いものまでさまざまで、発熱や倦怠感を伴うこともあります。原因は前述のとおり、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。
帯状疱疹を放置するリスク
帯状疱疹を「そのうち治るだろう」と放置するのは危険です。
最も注意すべき合併症が帯状疱疹後神経痛(PHN) で、皮膚の症状が治まった後も、焼けるような痛みやしびれが数か月から数年にわたって残ることがあります。特に高齢の方ほど帯状疱疹後神経痛に移行しやすい傾向があります。
さらに、顔面の帯状疱疹では視力障害や角膜炎、難聴・顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)などにつながる恐れもあります。帯状疱疹は発症から72時間(3日)以内に抗ウイルス薬による治療を開始することで、症状の重症化や後遺症のリスクを抑えやすくなります。痛みや発疹に気づいたら、できるだけ早く皮膚科を受診してください。
帯状疱疹の治療法と治療後の経過・注意点(保険診療)
帯状疱疹の治療は保険診療で受けられます。
中心となるのは抗ウイルス薬(内服薬・重症例では点滴)で、ウイルスの増殖を抑え、皮膚症状の治癒を早め、痛みや帯状疱疹後神経痛への移行を軽減します。痛みに対しては鎮痛薬、必要に応じて神経障害性疼痛の治療薬なども併用します。
治療後は多くの場合2〜4週間ほどで皮膚症状が改善していきますが、痛みが長引くこともあります。
治療後の注意点として、水疱の中にはウイルスが含まれるため、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児や妊婦との接触は避け、患部を清潔に保ちましょう。また、治りかけでも自己判断で薬を中断せず、痛みが残る場合は帯状疱疹後神経痛のケアのため通院を続けることが重要です。
帯状疱疹ワクチンの重要性
2025年4月から帯状疱疹ワクチンが定期接種化
厚生労働省により、2025年(令和7年)4月1日から帯状疱疹ワクチンが予防接種法に基づく定期接種(B類疾病) に位置づけられました。
原則としてその年度に65歳になる方が対象で、接種費用の一部が公費で補助されます。さらに2025〜2029年度の5年間は経過措置として、年度内に70・75・80・85・90・95・100歳になる方も対象となります。公費補助の有無や自己負担額は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の情報もあわせてご確認ください。
当院では帯状疱疹ワクチン「シングリックス」(乾燥組換えワクチン/不活化ワクチン)を使用しています。
2か月以上の間隔をあけて2回接種する必要があり、接種時の痛みや発熱などの副反応がやや出やすい点はデメリットですが、50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%という高い予防効果が報告され、効果が10年以上持続すると考えられています。
帯状疱疹後神経痛の予防効果も高く、免疫が低下した方にも接種できるため、しっかり予防したい方に適した帯状疱疹ワクチンです。
帯状疱疹に関するよくある質問
夏の帯状疱疹は「早期治療」と「ワクチン予防」を
夏は帯状疱疹が増える季節です。「片側だけの痛み」「帯状の発疹」に気づいたら、我慢せずできるだけ早く皮膚科を受診してください。
早期の抗ウイルス薬治療が、つらい帯状疱疹後神経痛を防ぐ最大のポイントです。
また、帯状疱疹は予防できる時代になりました。西宮市のあさくら皮フ科クリニックでは、皮膚科専門医による帯状疱疹の診断・治療はもちろん、帯状疱疹ワクチン(定期接種・任意接種)による予防にも力を入れています。
気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。






