ミチーガとは

ミチーガは2022年8月8日に発売された新しいアトピー性皮膚炎の注射薬です。アトピー性皮膚炎の症状のうち痒みの改善に特化しています。

アトピー性皮膚炎の方の皮膚ではサイトカイン(IL-4、IL-13、IL-5、IL-31など)という物質が皮膚のバリア低下や炎症を引き起こします。ミチーガはその中でも痒みに関与するIL-31をブロックします。IL-31は皮膚の炎症やバリア機能低下にも関与していると考えられています。

 

ミチーガという名前は、mitigate(軽減する)とitch(痒み)を組み合わせた、Mitigate the itch(痒みを和らげる)から成り、アトピー性皮膚炎患者さんを最も苦しませるかゆみを改善し快適な日常を過ごしてほしいという思いが込められて命名されました。

ミチーガが適応となる方

 以下のとおりです。

  • 13歳以上
  • アトピー性皮膚炎の方
  • 既存治療で効果不十分で中等度以上の搔痒を有する方

治療効果について

 以下のように報告されています。

  • 臨床試験においては投与翌日よりプラセボとの有意な改善が認めらる。患者さんにより異なるが、ミチーガによる治療開始の翌日から痒みの軽減がみられ、治療開始から16週頃までには痒みの一定の改善効果が現れる。

薬剤費について

ミチーガ皮下注用60mgシリンジは1本117,181円で、3割負担の方で1回35,154円(薬剤費のみ)となります。

治療スケジュール

 1回60mgを4週間の間隔で皮下投与します。

 ※ミチーガ注射開始後も原則として外用薬は継続します。

 

ミチーガはアトピー性皮膚炎の痒みにアプローチする新しい治療の選択肢です。治療に際してはまずご来院いただき、症状や痒みの程度ををスコア化してミチーガの治療が適応がどうかを判断します。

デュピクセントが15歳以上が適応であるのに対し、ミチーガは13歳以上とより若い年齢から治療対象になります。また、デュピクセントの適応が皮疹スコアEASI 16以上であるのに対し、ミチーガの適応基準は皮疹スコアがEASI10以上であり、今までデュピクセント が適応とならなかった皮疹が中等度の方でも強い痒みがあれば導入できます。

詳細は診療にてお伝えします。ぜひご相談ください。