「酒さ」に対して欧米など80カ国以上においてすでに承認され一般的に使われているメトロニダゾール外用薬(日本ではロゼックス®ゲル0.75%)が、2022年5月26日に日本でも保険適用となりました。
酒さとは
「酒さ」は「赤ら顔」とも呼ばれ、鼻や頬、額などに赤みやニキビのような症状がでる病気です。皮膚の症状に加えて、ほてりやヒリヒリ感などもみられます。30~50歳代に発症しやすく、男性よりも女性におおい傾向があります。
原因
酒さの原因は明らかになっていませんが、遺伝的要因などにより自然免疫が亢進しており、刺激により炎症を起こしやすい状態になっているといわれています。日光や高気温、低気温などの外部環境、精神的ストレスや食べ物などによる体の内部環境、その他さまざまな要因が重なって発症します。ステロイドやプロトピックを長期間外用薬として使用すると、酒さに似た症状を呈する「酒さ様皮膚炎」が起こることが知られています。
治療
酒さの対処法は「治療、悪化因子を避ける、スキンケア」の3つです。
ロゼックスゲルは抗炎症作用や免疫抑制作用により酒さの症状を改善します。1日2回外用し、2週間で15gチューブ1本を使用するのが目安です。薬の効果が弱まるため使用中は紫外線を避けるようにしてください。
ロゼックスゲルの薬価(薬剤の値段)は102.30円/gです。1本15gのチューブに入っているので1本あたり1534.5円となり、例えば三割負担の患者さまであれば460.35円/本の負担になります(薬剤費のみの計算です)。
以下の方はロゼックスゲルを使用できません。また使用中は授乳を避けるほうが望ましいとされています。
- このお薬によりアレルギーを起こしたことがある方
- 脳や脊髄の病気のある方(脳腫瘍、脊髄腫瘍を除く)
- 妊娠3か月以内の方
ロゼックスゲルの主な副作用として、接触皮膚炎、乾燥、かゆみ、皮膚のつっぱり感、皮脂欠乏症などが報告されています。こういった症状が認められた場合は、使用回数を減らすか、一時的に使用をやめて、医師の指示を受けるようにしてください。
酒さでお悩みの方はお気軽にご相談ください。