暑い日が多くなってきました。これからの季節、わき汗が気になる方も多いのではないでしょうか。
わき汗の正式な病名は「限局性腋窩多汗症」といいます。原発性腋窩多汗症の診断基準は以下の通りです。
診断基準
1. 症状の初発が25歳以下
2. 左右対称性に発汗がある
3. 睡眠中は発汗がとまっている
4. 1週間に1回以上多汗の症状がある
5. 家族歴がある
6. 多汗により日常生活に支障がある
明らかな原因もなく過剰な発汗が6ヶ月以上続き、上記1~6のうち2項目以上に該当する。
日本人の10人に1人は手足や腋窩の多汗症といわれており、そのうちの59%が原発性腋窩多汗症です。
わき汗の治療薬として初めて保険処方ができる「エクロックゲル」という外用剤が2020年9月に厚生労働省より承認されました。
そして今年2022年5月23日から同じくわき汗治療薬として「ラピフォートワイプ」というワイプ製剤も新しく発売されました。ワイプ製剤は不織布に薬液が浸透しており、それで患部(わき)を拭いて塗布するという使い方をします。個包装で持ち運びにも便利です。
エクロックゲルもラピフォートワイプも、交感神経から伝えられる汗を出す指令をエクリン汗腺が受け取れないようブロックすることで発汗を抑える効果があります。
エクロックゲルは12歳から、ラピフォートワイプは9歳から処方可能です。ラピフォートワイプは新薬になるため、発売後1年間は2週間分までの処方になります。
わき汗による汗じみや不快感で日常的に困っていらっしゃる方が多いなか、治療の選択肢が増えるのはうれしいことですね。
これらの治療薬で効果が乏しい方には、自費の塩化アルミニウム外用液やボトックス注射もお勧めしています。
わき汗でお悩みの方はぜひご相談ください。